世界からコーヒーがなくなるまえに | ペトリ・レッパネン+ラリ・サロマー (著), セルボ貴子 (翻訳)
https://gyazo.com/4bcc45013452b2aa7930cd878e57617c
イギリスのジェレミー・トーツはユニオン・ハンドローステッド・コーヒーの創業者だ。1990年代はじめにアメリカで暮らし、スペシャリティコーヒーを知り、その虜になった。1994年英国に戻って眼鏡屋の仕事をやめ、スティーブン・マカトニアとともに焙煎所を始めた。トーツとマカトニアというなめでとおていた焙煎所は後にシアトル・コーヒー・カンパニーと合併し、さらにその後スターバックス傘下となった。2001年、ふたりはユニオン・ハンドローステッド・コーヒーという焙煎所を設立した。 トーツはまさにコーヒーの味をワインと比べるタイプのようだ。「スペシャルティコーヒーのクオリティを持つアラビカ豆なら4つの特徴がある。柑橘類とフローラル、チョコレートとナッツ、キャラメルとスパイス、そしてフルーティ。これらのうちひとつもしくは複数の味が感じられる。素晴らしいコーヒー豆であれば、エレガントで複雑な味となり、甘やかな酸味が行き来としたバランスをもたらしてくれる。このバランスが重要でまさに美味しいワインそのものだ。」 トータル・クォリティという言葉は何も新しいものではないということを知った。製造業ではすでに使われている言葉だったのだ。製造、労働そして環境への配慮、サステナビリティも含めた意味で使われている。